前夜の作戦会議

前日、薩埵峠を目前に相方の足のトラブルで歩き旅を断念。その夜のうちに話し合った結果、「リュックを背負っての歩き旅はさすがに厳しい」という判断で、この日は歩くのをやめて静岡駅周辺の散策に切り替えることにした。

足の筋肉が痛んでいたようだったが、持ち歩いていた湿布でやり過ごす。歩き旅の常備品、湿布がここで活躍である。

ホテルの朝食からスタート

朝はホテルの和定食。ホッケの干物にだし巻き卵、味噌汁。この日はがっつり歩くわけではないけれど、朝ごはんはしっかりと。

外に出れば、住宅街の向こうに今日も富士山。昨日あれだけ浴びたのに、見えるとやっぱり撮ってしまう。

静鉄電車に乗って

移動は静岡鉄道。狐ヶ崎から乗車して静岡の街へ向かう。

新静岡の駅では「静岡鉄道×ちびまる子ちゃんランド」の顔ハメパネルがお出迎え。まる子の故郷・清水を抱える静岡らしい光景である。

駿府城公園へ

この日のメインは駿府城公園。徳川家康が晩年を過ごした駿府城の跡地だ。

お堀の石垣と巽櫓。街のビル群のすぐ隣に、江戸の風景がどんと残っている。

公園の中では鷹を手にした家康公の像がお出迎え。

家康公お手植えのミカン

そして個人的にこの日いちばんだったのが、家康公お手植えと伝わるミカンの木。将軍職を退いて駿府に隠居した家康公が、紀州から献上された鉢植えのミカンを本丸に移植したものと伝えられている。静岡県指定の天然記念物だ。

400年以上前の木が、フェンスと立て札でしっかり守られて、今も大事に手入れされている。静岡のミカンの起源を知るうえでも貴重な木なのだそう。この家康愛と手入れの丁寧さには素直にすごいと思った。

狙っていなかった発掘現場

本丸跡では天守台の発掘調査の真っ最中だった。ブルーシートに覆われた石垣がどこまでも広がる、なかなか見られない光景である。

展示コーナーには「さわってOKです」と出土した瓦まで置いてあった。遠慮なく触らせていただく。

実はこれ、まったく狙って行っていない。東海道の旅では、狙って行くと大概お店は休み、時間が合わない、ということが多かった(前日の由比しかり…)。狙わないと当たる。旅の法則である😅

公園には葵の御紋の植え込みや、この日開催されていたイベントのふわふわ忍者城なんかもあって、家族連れで賑わっていた。

展望ロビーから街を見下ろす

県庁別館の展望ロビーへ。眼下に駿府城公園、その先に静岡の街並み、そして山の向こうに富士山。発掘現場のブルーシートも上から丸見えで、規模の大きさがよくわかった。

お茶の街の実力

歩き疲れたところで、静岡茶の喫茶専門店へ。お茶の専門店があること自体が驚きだった。コーヒーではなく、日本茶を急須で一杯ずつ丁寧に淹れて出してくれる。さすがお茶の名産地。安倍川餅と一緒にいただいて、ほっと一息。

(写真:お茶と安倍川餅)

静岡駅前も家康づくし

静岡駅前には幼少期の竹千代くんの像と、壮年の家康公の像。ビルの壁面には「家康公が愛したまち SHIZUOKA」の文字。どこを向いても家康である。人質時代から晩年まで、人生の多くをこの地で過ごした家康公は、静岡の街の顔なのだ。

締めは静岡おでんデビュー

夜は駅ビルの中にあったお店で静岡おでん。真っ黒い出汁で煮込まれた串刺しのおでんに、だし粉をたっぷり。もつ煮も一緒に。

今まで自分が食べてきたおでんとはまったく違うものだったが、これがうまい。黒はんぺんをはじめ、静岡ならではのおでん文化を堪能した。

この日をふりかえって

観光地の顔をした静岡に会えた一日でした。

東海道を歩いていると、街は「通り過ぎていく宿場」として出会うことになる。でもこの日は歩かなかったからこそ、家康の街、お茶の街、おでんの街としての静岡とゆっくり向き合えた。

薩埵峠の厳しさをまだ知らないまま過ごした、楽しい観光の一日。計画通りではないけれど、こんな旅もあり。ちょっとしたご褒美気分の休日だった。

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