2019年4月29日、歩き旅再開の2日目です。

この日は朝からどんよりとしたイマイチなお天気。それでも前に進むしかない!と、テンションを上げるためのぬい達と一緒に、まずは恒例の万歩計「0」の儀式からスタートです。今日のお供は山姥切國広。

前日は焼津のホテルに宿泊。東海道からは離れていたので、タクシーで街道まで戻ってから歩き始めました。

藤枝宿へ

歩き出してほどなく、「藤枝市 八幡」の東海道ルネッサンスの道標に出会います。川沿いの道を進むと「旧東海道・鬼島の建場」の石碑が。ここには弥次さん喜多さんでおなじみ『東海道中膝栗毛』の一節が刻まれていました。江戸の旅人たちもここで一休みしたのでしょうか。

そして東海道藤枝宿の大きな案内板が見えてきました。

相方リクエストの田中城

このあたりから、いよいよ天気が崩れ始めてきました。雨用の装備は毎回持ってきていたのですが、昨年は一度も出番がなかったレインコート、傘、バッグ用カバーがここにきて大活躍です。

雨の中向かったのは、相方のリクエストで決まった田中城。徳川家康公が鷹狩りに通い、最期の鯛の天ぷらを食べた地とも言われるお城です。

史跡・田中城下屋敷には、花菖蒲と芍薬の咲く庭園に茶室、そして石垣の上に建つ本丸櫓。櫓の中の展示によると、信玄・信長・秀吉・家康が宿泊したそうで、そうそうたる顔ぶれです。

ところでこの田中城、住所も田中で城も田中城。てっきり城主の名前が田中さんなのかと思ったら、地名の田中からきているのだそうです。

さらに面白いのが、本丸跡が現在は西益津小学校になっていること。校庭の一角には田中城のミニチュア模型が置かれ、円形の縄張りが再現されています。校舎内にもミニチュアらしきオブジェが見えました(外から覗いた限りですがw)。子供たちに「ここにはお城があったんだよ」と教えているのでしょうか。地元の思い入れの深さを感じます。城址の利用のされ方が土地によっていろいろ違うのは、歩いていて面白いところです。

偶然の藤まつり

続いて立ち寄った蓮華寺池公園では、ちょうど「藤まつり」が開催中でした。もちろん偶然です。この旅、全てにわたってこんな調子ですw

藤棚から滝のように垂れる藤の花はとても綺麗で、写真をたくさん撮りました。池にはスワンボート、岸辺には鯉のぼりの群れ。朝ラーメンを出している屋台もあったりと、なかなかの賑わいでした。藤枝の名の通り、藤の名所なんですね。

隣接する藤枝市郷土博物館・文学館では、定番の展示から地元らしいものまで興味深く見ることができました。昭和のお茶の間の再現に、大正期のKAWAIオルガン、そしてダイハツ・ミゼット。オルガンはリアルで見た記憶があるのですが、ミゼットはあまり記憶が無いなあと、いろんな博物館で見るたびに毎回思っている車のひとつです。

島田宿と刀匠の碑

東海道追分の道標から旧東海道に復帰し、島田宿へ。曇りがちの天気のせいか体が重く、このあたりは割と淡々と歩いていました。御陣屋(代官所)跡、本陣跡と巡ります。

そんな中で目を引いたのが「刀匠 島田顕彰碑」。刀鍛冶集団・島田鍛冶を讃える碑です。東海道を歩いていると、本陣跡や明治天皇がお泊まりになった・ご休憩されたという碑はたくさん見かけるのですが、こうして地元の方々が「ここにはこんな歴史もあったんだ」と印として残している碑もいいですね。とても珍しいと思いました。

ちなみにこの島田鍛冶の義助は、刀剣乱舞にキャラとして登場する槍・御手杵を作った刀工です。審神者的には見逃せないスポットでした。

そして御陣屋稲荷では悪口コンテストの大賞作品に遭遇。「空はこんなに青いのに、妻がいる。」……強烈ですw

越すに越されぬ大井川

この日はまず大井川手前のホテルにチェックインし、荷物を置いて身軽になってから、いよいよ大井川橋へ向かいました。

「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」。江戸時代、幕府はこの川に橋を架けることを許さず、旅人は川越人足の肩や蓮台で渡っていました。

昭和3年に架けられた大井川橋は、橋長1026.4mの鋼製トラス橋。土木学会選奨土木遺産にも認定されています。

実際に渡ってみると、川幅は果てしなく広い。広大な砂利の河原の中を、細い流れが走っています。橋は架けたいけど敵には攻め込まれたくない、という幕府の気持ちも分からんでもないなと思いながら、黄色い欄干の歩道を延々と歩きました。

大井川鐵道で思い出に再会

橋を渡って金谷側へ。大井川鐵道があると相方から聞かされたので、新金谷駅まで見に行くことにしました。

新金谷駅にはSLの牽く旧型客車がずらり。車両基地では転車台に載るC12 164の姿も。ちょうど電車が車庫の中に入るための動きを見ることができて、気づけば写真よりも動画ばかりが残っていましたw

「電車好きだった子供が小さい時に連れてきてたら喜んでたろうね」と相方と話しながら車庫をよく見ると、なんと私が子供の頃によく乗っていた電車が再利用されているではありませんか。もう見ることもないと思っていた電車に、まさか大井川で会えるとは。懐かしい思いで眺めていました。

駅舎には「新金谷驛」の木製看板と、きかんしゃトーマスとヒロのパネル。大井川鐵道といえばトーマス号ですね。

このあとは金谷駅から、ホテルの最寄駅まで電車で帰りました。流石に橋の往復はキツイです……。

島田の夜

夕食は島田駅近くで、入れる居酒屋に入ったという感じ。炙りの刺身に〆鯖、ごぼうチップスのサラダ、鉄板のハンバーグ。満足な味で美味しかったです。ただ、前日の焼津のお魚のボリュームを思い出すとちょっと物足りなく感じてしまい、いやいやこれが普通だよねと自分に言い聞かせましたw

(写真:島田の夕食)

この日をふりかえって

この日の歩数、45,525歩。おそらく歴代最高記録です。お宿では、近所ではあまり見かけないスガキヤのラーメンをお土産に、三日月と太郎太刀と一緒に記念撮影。

(写真:万歩計45525歩)

思い出に会えた時間。

雨が降ったり止んだりで大変でしたが、偶然の藤まつり、地元が大切にする城跡と刀匠の碑、そして子供の頃に乗っていた電車との思わぬ再会。越すに越されぬ大井川を自分の足で越えて、それなりに楽しめた良い一日でした。

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